目の中をカメラに例えるとレンズが濁るのが白内障です。原因は、加齢が最も多いですが、先天性や外傷、糖尿病やアトピー性皮膚炎、ステロイドの長期内服でもおこることがあります。
ぼやけて見える、かすむというのが代表的ですが、他にもまぶしい、メガネが合わない、物がだぶって見える(単眼複視)、昔は老眼だったのにメガネ無しで近くが見えるようになったという症状も、実は白内障だったということもあります。
ご本人が生活上、不便を感じるようになった時が手術を受ける時期です。これは人によって、求める見え方が違うため、患者さんによって手術をする時期は異なってきます。
例えば、細かい作業が多く見え方の精度を求める人や、運転を職業としている人は、早めに手術をうける傾向があります。逆に、部屋の中で過ごすことが多く、あまり物も見ない方は、白内障が進行しても不便を感じないかもしれません。
手術を受ける時期は、患者さんが決めて頂いて結構ですが、だからといって、白内障が進行しすぎると、手術の難易度があがり、術後の回復が遅くなったり、ご高齢になってからの手術では、手術や術後の生活が負担になることもありますので、詳しくは担当医にご相談下さい。
白内障手術適応と診断された方は、手術日の予約をいたします。両眼の場合は、片眼ずつ、片方ともう片方の間隔は通常1週間空けます。手術の待ち期間は約2~3ヶ月となっておりますが、状態によっては早めの手術を検討いたします。手術前には術前検査、手術の詳しい説明など数回の通院が必要となります。
白内障の簡単なビデオを見ていただき、さらに白内障パンフレットを見ながら、日程や術前術後の注意事項、術後合併症等についてご説明いたします。
個別に説明いたしますので、わからないことがあれば自由にご質問ください。また、くわしい説明がありますので、出来ればご家族など付き添いの方と一緒におこしください。
安全に白内障手術ができる全身状態かどうか判断するために、かかりつけ医に最近の検査データをいただいたり、かかりつけ医がない場合は、内科に受診していただくこととなります。
通常の検査に加え、眼軸長、角膜内皮細胞、波面収差解析、角膜形状解析検査など、眼内レンズ度数計算や安全に手術をするために必要な検査をおこないます。
また、日頃、コンタクトレンズを使用している方は、眼内レンズ度数測定の誤差をおこす原因となるため、ハードコンタクトレンズで2週間、ソフトコンタクトレンズで1週間は、術前検査日の前に装用を中止する必要があります。
また、かかりつけ医から頂いた全身状態の検査データを確認し、さらに手術に必要な採血検査もおこないます。かかりつけ医でお薬を頂いている方は、お薬手帳もご持参ください。
手術の約3週間前に術前診察をおこないます。白内障の程度や白内障以外の状態、すべての術前検査データ、また、患者さんのライフスタイルをもとに、手術後の見え方に最適な眼内レンズの種類と度数を決定します。眼内レンズの種類についてはコチラ
目の表面の細菌を減らすために、手術3日前から、抗生物質の点眼をします。
・手術当日から眼帯となるため、ご自身での自動車や自転車の運転はお控えください。
・来院予定時間に、できればご家族など付き添いの方とおこしください。
・皮膚消毒の妨げとなるため、お化粧なしで来院してください。
・手術時間は約10分前後ですが、術前の点眼、消毒、術後の安静など実際の病院の滞在時間は約2時間となります。
・帰宅後は夜間の緊急電話番号をお伝えしますので、帰宅後不安があればご連絡ください。
手術後1週間は特に大切な時期です。パンフレットや手術日程表の注意事項にしたがって、お過ごしください。
また、術後1週間は、当院からお伝えする予定通りで受診することが大切です。